岐阜県北方町の小学6年生が、夏休みの自由研究として横断歩道での車の停止状況を調査しました。
12日間にわたり観察を続けた結果、なんと638台もの車が停止せずに通過。反則金に換算すると574万円を超える衝撃的な結果が明らかになりました。
特に興味深いのは、車種やドライバーによって停止率に大きな差が見られた点です。
大型トラックや「いかついお兄さん」の運転する車は停止率が高い一方で、背の低い車や「おばあちゃんドライバー」は停止しにくい傾向にあることが判明。この調査結果は地域の交通安全対策にも活用されています。
- 小学6年生が12日間で638台の車を観察し、横断歩道での停止状況を詳細に調査
- 通勤ラッシュ時の停止率が最も低く、反則金換算で574万円超えの衝撃的な結果
- 車種やドライバーの特徴による停止率の違いが判明(大型トラック・「いかつい兄ちゃん」は高く、「おばあちゃん」は低い)
- 全国平均の停止率は5割弱だが、長野県は8割超と地域による意識の差も明らかに
小学6年生が明かした横断歩道の停止率調査
交通安全に対する意識の高さが求められる中、岐阜県北方町に住む小学6年生の堀煌太くんが、夏休みの自由研究として信号機のない横断歩道での車の停止率を調査しました。
その結果は、大人の目からは見えにくい交通マナーの実態を浮き彫りにしています。
塾通学中の危険な経験から生まれた自由研究のきっかけ
堀くんが通う塾の近くにある横断歩道で、なかなか車が止まってくれない経験をしたことがこの研究のきっかけでした。
ある日、11台もの車が通り過ぎるまで渡ることができず、「全然止まってくれへん」と怒りをあらわにしたそうです。
12日間・638台の車を観察した驚きの調査結果
堀くんは2024年7月の12日間、朝7時半から夜7時まで30分おきに横断歩道で車の停止状況を観察しました。
調査の結果、以下のような驚くべき事実が明らかになりました。
- 最も停止率が低い時間帯: 午前8時から8時半の通勤ラッシュ時。平均5.2台が通過。
- 観察車両数: 638台の車が停止せずに通過。
- 反則金試算: 638台×1台9000円の反則金=574万2000円。
交通量が多い朝の通勤時間帯ほど、ドライバーが横断歩道で停止しない傾向が如実に表れた調査結果となりました。
単純計算とはいえ、500万円を超える反則金試算は衝撃的な数字と言えるでしょう。
意外な発見!車種・ドライバー別の停止傾向
堀くんの研究で特に興味深いのは、車種やドライバーの特徴によって停止率に違いがあることを見出した点です。
一般的なイメージとは異なる意外な結果も含まれており、交通安全を考える上で示唆に富んでいます。
親切な「いかついお兄さん」と「優しいおじいちゃん」の高い停止率
見た目や年齢から受ける印象と、実際の行動には差があることを堀くんの観察は示しています。
- 「いかつい兄ちゃん」の意外な親切さ: 見た目に反して、停止率が高い。
- 「優しいおじいちゃん」は期待通り: 穏やかな印象通り、よく止まってくれる。
- 大型トラックの停止率の高さ: 業務用車両の交通マナーの良さが伺える。
一方で、ドライバーの特徴と停止率の関係には課題もあるようです。
「背の低い車」と「おばあちゃんドライバー」の低い停止意識
堀くんの観察によると、以下のような車種やドライバーは停止率が低い傾向にあるとのことです。
- 「背の低い車」の問題点: スポーツカータイプの低い車は停止しにくい。
- 「おばあちゃん」の意外な一面: 優しそうに見えて、あまり止まってくれない。
単純に年齢や性別だけでドライバーの行動を決めつけることはできませんが、こうした調査結果は交通安全教育を進める上で一つの参考になるはずです。
交通安全への貢献と社会的影響
小学生の自由研究とはいえ、堀くんの調査は交通安全の向上に向けて大きな示唆を与えるものでした。
警察による取り組みへの発展や各地の交通マナーの違いなど、社会に与えたインパクトは小さくありません。
警察署も注目!574万円の反則金試算と啓発活動への活用
堀くんは638台もの車が横断歩道で停止しなかったことを受け、1台あたり9000円の反則金を合計した574万2000円という金額を算出しました。
この数字を知った北方警察署の村瀬義樹警部は次のようにコメントしています。
「やはり私たち大人の観点とは違う見方をしていて、こういう車が止まりにくい、こういう運転手は違反するんじゃないか、総合的な取り組みの参考となりました」
警察署では、堀くんの調査結果を基に、町民向けの交通安全啓発チラシを制作。
時間帯別の停止率グラフや、ドライバーの特徴を記載するなど、データを活用した取り組みを進めているそうです。
子供ならではの視点を交通安全対策に取り入れる好例と言えるでしょう。
地域差が浮き彫りに 長野県の高い停止率と他県との比較
この記事のコメント欄でも指摘されていましたが、横断歩道での停止率には地域差があるようです。
- 全国平均の停止率: 5割弱。
- 長野県の停止率: 8割を超える。
長野県では、ドライバーも歩行者も互いに意識が高く、子供が渡った車に頭を下げるなどの光景が見られるそうです。
こうした地域の交通マナーの良さを他県でも参考にしていくことが、全国的な交通事故の減少につながるのではないでしょうか。
ドライバーの意識改革と課題
堀くんの研究を通して見えてきたのは、ドライバー一人一人の意識の重要性です。
会社名が表示された車両は事故を警戒してか横断歩道で止まる傾向にあるものの、一般のドライバーの意識はまだ十分とは言えません。
業務用車両に見る高いマナー意識と一般車両との差
交通マナーの意識には、業務用車両と一般車両で差が見られるようです。
- 会社名入りトラックの安全運転: 会社の信用に関わるため、交通ルールを守る意識が高い。
- 介護施設の送迎車の模範的態度: 乗客の安全を第一に考え、必ず横断歩道で停止。
- 一般車両は意識が二極化: 業務用ほどの意識の高さは見られず、個人差が大きい。
他者からの評価を意識せざるを得ない業務用車両に対し、プライベートな空間である一般車両の運転手は、安全意識にばらつきがあるのが現状です。
ドライバー教育のさらなる徹底が求められると言えるでしょう。
時間帯・心理状態が影響する停止率の変化
横断歩道での停止率は、時間帯やドライバーの心理状態によっても変化します。
- 通勤ラッシュ時の低停止率: 職場や学校に急ぐあまり、横断歩道を無視するドライバーが多い。
- 送迎中の親の焦り: 子供を早く届けようと、安全確認がおろそかになりがち。
- 高齢ドライバーの集中力低下: 運転に不安を抱える高齢者は、周囲への注意が行き届かない。
どんなに急いでいても、歩行者の安全を最優先するのがドライバーの責務です。
一時停止を習慣づけ、ゆとりを持って運転することが求められます。
堀くんの研究は、子供の目線から交通安全の課題を浮き彫りにしてくれました。
ドライバー一人一人が歩行者の立場に立って考え、事故のない安全な交通社会を目指していかなければいけません。
小学生の問題提起を機に、私たち大人が意識改革を進めていく必要があるでしょう。
まとめ:小学生の視点で見えた横断歩道の実態について
- 塾通学時の危険な経験が調査のきっかけとなる
- 12日間で638台もの車が横断歩道で停止せず通過
- 反則金に換算すると574万2000円の規模に相当
- 朝8時台の通勤ラッシュ時が最も停止率が低い
- 「いかつい兄ちゃん」の運転する車は停止率が高い
- 「おばあちゃん」ドライバーは停止率が低い傾向
- 背の低いスポーツカータイプは停止しにくい傾向
- 大型トラックや業務用車両は停止率が高い
- 介護施設の送迎車は模範的な停止行動を示す
- 全国平均の停止率は5割弱にとどまる
- 長野県は停止率8割超と地域による差が顕著
- 警察署が啓発チラシに調査結果を活用
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