【意味】ハリスジャンプ、バイデンジャンプは不正ではない！陰謀論な理由を解説！

アメリカ大統領選挙において、民主党候補の得票数が急激に伸びる「ハリスジャンプ」「バイデンジャンプ」という現象が注目を集めています。

2020年の大統領選挙では、この現象を巡って不正選挙を疑う声が上がり、トランプ陣営による議会襲撃事件にまで発展しました。

現在進行中の2024年11月の選挙でも、カマラ・ハリス副大統領とトランプ元大統領の一騎打ちとなり、同様の現象が起きるのかが大きな関心を集めています。

この記事では、「ハリスジャンプ」「バイデンジャンプ」が起きる背景にあるアメリカの地理的特性や選挙制度を詳しく解説するとともに、不正選挙説が広がった理由や2024年選挙の最新動向についても分かりやすく説明していきます。

ハリスジャンプって何？選挙開票の謎の現象を解説

アメリカ大統領選挙における開票速報では、「ハリスジャンプ」や「バイデンジャンプ」と呼ばれる現象が注目されています。

これは、開票の途中で急激に民主党候補の得票数が伸びる現象を指しています。

2020年の大統領選挙でも「バイデンジャンプ」が話題となりましたが、2024年11月現在の選挙でも同様の現象が起きるのかが注目されています。

では、なぜこのような現象が起きるのでしょうか？

その背景には、アメリカの地理的特性や選挙制度が関係しています。

以下では、「ハリスジャンプ」「バイデンジャンプ」の仕組みについて詳しく解説していきます。

バイデンジャンプが起きた理由①：時差と地理がカギ！

「ハリスジャンプ」や「バイデンジャンプ」が起きる主な理由は、アメリカの地理的特性と時差にあります。

アメリカは東西に広い国土を持ち、東部と西部では3時間の時差があります。

そのため、開票作業も東部から西部へと時間差で進んでいきます。

東から西へ進む開票、民主党vs共和党の地域差

アメリカの東部は、民主党の支持基盤である都市部が多く存在します。

一方、中西部から西部にかけては、共和党の支持層が厚い農村部や保守的な地域が広がっています。

そのため、開票が進むにつれて、以下のような傾向が見られます。

つまり、開票序盤は東部の州から民主党優位の結果が出る一方、中盤になると共和党候補が巻き返す展開になりがちです。

しかし終盤になって西海岸の開票が進むと、再び民主党候補が大量の票を獲得する「ジャンプ」現象が起きやすくなるのです。

都市部と田舎の開票スピードの違い

さらに都市部と田舎では、開票作業の効率性にも違いがあります。

人口密集地域である都市部は、大量の票を一気に集計できる投票所が多いため、開票がスムーズに進みます。

対して人口の少ない田舎では、一つ一つの投票所が点在しており、集計に時間がかかりがちです。

民主党の地盤である都市部の票は後半に一気に開票される一方、共和党の強い田舎は序盤から徐々に票が積み上がっていく傾向にあります。

これも「ジャンプ」現象の一因となっているのです。

郵便投票が与えた影響とは？

2020年大統領選挙では、新型コロナウイルスの影響で郵便投票が大幅に増加しました。

郵便投票は、開票に時間がかかる上、民主党支持者に多いことが知られています。

そのため、2020年は「バイデンジャンプ」が顕著に表れたと考えられています。

直接投票を好む共和党支持者の票は開票序盤に先行しやすい一方、郵便投票を多用する民主党支持者の票は終盤にまとまって開票されることが多いのです。

2020年はこの傾向が強まったことで、「バイデンジャンプ」が際立ったと言えます。

不正選挙説はなぜ広がった？その背景に迫る

「ハリスジャンプ」「バイデンジャンプ」は、開票過程で自然に起こりうる現象ですが、一部では不正選挙を疑う声も上がっています。

2020年大統領選挙でも、トランプ陣営が「バイデンジャンプ」を不正の証拠だと主張し、議会襲撃事件にまで発展しました。

では、なぜ陰謀論が広がったのでしょうか。

ロイター調査が明かす衝撃の数字

2020年大統領選挙後、ロイター通信が行った世論調査では、共和党支持者の認識の偏りが浮き彫りになりました。

共和党支持者の間では、バイデン氏の勝利を認めず、選挙不正を確信する向きが多数派となっています。

一方で民主党支持者の間では、そうした見方は少数派にとどまっているのです。

陰謀論が広がった背景には、トランプ氏や彼の息子であるジュニア氏が、不正の証拠だと発信したことが大きいようです。

影響力のある彼らの言葉に、多くの共和党支持者が踊らされた可能性があります。

SNSで拡散された「証拠」の真相

トランプ陣営は、「バイデンジャンプ」を不正の証拠とするため、SNSで様々な「証拠」を拡散しました。

しかし、それらの多くは誤情報や誇張された内容でした。

ネット上では、あたかも不正の「証拠」であるかのように拡散されましたが、これらは調査によって次々と誤りだと判明しました。

しかし、誤情報を信じ込んだ一部のトランプ支持者は、選挙結果を受け入れられず、議会襲撃事件を起こすに至ったのです。

SNSの誤情報が、現実の暴力につながった一例と言えるでしょう。

選挙データから見える意外な事実

「バイデンジャンプ」をめぐっては、誤情報が飛び交う一方で、選挙データを詳しく分析すると興味深い事実が見えてきます。

ここでは、2020年大統領選挙で話題となった2つの州を取り上げてみましょう。

ミシガン州の入力ミスが引き起こした混乱

2020年11月4日未明、ミシガン州の開票状況を示す地図がSNSで出回りました。

それによると、バイデン氏の得票数が一気に約13万票増えた一方、トランプ氏の票数は全く増えていませんでした。

これを見たトランプ支持者から、不正を疑う声が上がりました。

トランプ氏自身もこの地図をリツイートし、疑惑に乗っかる形となりました。

しかし実際には、これは単なる入力ミスでした。

地図を作成した「Decision Desk」は、州の集計ミスをそのまま反映してしまったと説明しています。

後にミスは訂正され、トランプ氏の票数も増加していたことが判明しました。

ウィスコンシン州の有権者数の誤解

ウィスコンシン州でも、有権者数をめぐる誤解が生じました。

あるツイートでは、「登録有権者数よりも投票数の方が多い」と主張し、不正の証拠だと訴えていました。

ツイートが根拠とした有権者数は古いデータであり、実際には投票数を上回っていました。

さらに同州では、投票日当日の有権者登録を認めているため、最終的な有権者数はもっと増えた可能性もあります。

mixiチーフプロデューサーの上川徹氏は、mixiチーフプロデューサーの上川徹氏は、ツイッターでこう指摘しています。

「（ウィスコンシン州の有権者数をめぐる誤解は）2016年の国勢調査の数字と比べているだけ。

その後の人口変動を考慮していません。

実際の有権者数とほぼ同数の投票数なので、『不正投票』などあり得ません」

このように、一見不可解な数字の矛盾も、きちんとデータを確認すれば、合理的に説明がつくケースが多いのです。

2024年選挙、ハリスジャンプは起きるの？

いよいよ2024年の大統領選挙が進行中です。

バイデン大統領の再選を目指す民主党からは、カマラ・ハリス副大統領が立候補。

共和党からは、前回敗れたトランプ元大統領が再び挑戦しています。

世論調査では接戦が予想され、ハリス氏優位の報道もありますが、果たして結果はどうなるのでしょうか。

前回との違いを徹底検証

気になるのは、今回も「ハリスジャンプ」が起きるのかという点です。

前回のような郵便投票の急増は予想されていませんが、それでも民主党候補が後半に大きく票を伸ばす可能性は十分にあります。

ただ、今のところ「ハリスジャンプ」は確認されていません。

むしろ接戦模様が続いており、ペンシルベニア州でハリス氏がトランプ氏に敗れたことで、敗北宣言する可能性も出てきました。

前回のように顕著な「ジャンプ」が見られない理由としては、以下のような点が考えられます。

「ハリスジャンプ」が起きていないことを根拠に、前回の「バイデンジャンプ」は不正だったのではと疑う声も出ています。

しかし、あくまで状況の違いによるものであり、不正の証拠にはなりません。

油断は禁物ですが、今回の選挙も公正に行われていると信じたいものです。

知っておきたい！アメリカの選挙システム

「ハリスジャンプ」を理解するには、アメリカ独特の選挙制度について知っておく必要があります。

ここでは2つのポイントを押さえておきましょう。

選挙人総取り方式のしくみ

アメリカ大統領選挙は、各州の選挙人を総取りする方式で行われます。

つまり、州ごとの得票数の多寡で勝敗が決まるのであり、全国の総得票数で決まるわけではありません。

2016年の選挙でも、クリントン氏が全国の総得票数では上回ったものの、選挙人獲得数ではトランプ氏が勝利するという結果になりました。

得票数の多寡だけでは、大統領選の勝敗は決まらないのです。

公正な選挙を支える人々の姿

「ハリスジャンプ」を不正だと決めつける前に、選挙の裏で働く人々の姿を知ることも大切です。

全米各地の開票所では、たくさんのボランティアが不正のない選挙の実現に尽力しています。

彼らの地道な努力の積み重ねがあってこそ、私たちは選挙結果を信頼することができるのです。

根拠のない不正の主張は、選挙を支える人々への冒涜でもあります。

私たちにできることは、バイアスにとらわれず客観的な視点を持つこと。

「ジャンプ」の謎に惑わされるのではなく、その背景にあるアメリカの選挙事情を正しく理解することが大切なのです。

まずは自分の目で情報を確かめ、冷静に判断することから始めてみませんか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

まとめ：バイデンジャンプと2024年アメリカ大統領選について