今日は、玄米を食べた場合、血糖値がどの程度変動するのかについて検証します。
玄米は白米よりも血糖値の上昇が緩やかだと思われている方も多いと思います。
そこで、今回は白米、糖質カットされたお米、そして玄米の3種類を比較して、血糖値の違いを調べます。
玄米・糖質カット白米・普通に炊いた白米の重量、検証や比較条件
白米と糖質カットされたお米については、以前の記事を参照して下さい。


条件は、3種類とも生の桜米80gを使用します。

お米を炊いた後の重量で比較すると、
水分量によって重量が変わってしまうため、生のお米で統一します。

お米を炊いた後の重量は、玄米が210g程度、
前回のお米が220g程度、糖質カット前のお米が170g程度です。
玄米と白米の栄養素の比較

まず、白米と玄米の栄養成分の違いを見てみると、生のお米80gあたりの糖質量は61.7g、食物繊維は0.4g含まれています。一方、生の玄米80gあたりの糖質量は57g、食物繊維は2.4g含まれています。つまり、糖質量は玄米の方が約5g少なく、食物繊維は約2g多いことが分かります。この差が血糖値にどのように反映されるのかが楽しみです。
また、糖質カットされたお米については、通常のお米よりも糖質量が約30%減っています。上記でお米の糖質量を抑える炊飯器があるため、それを使用して検証を行います。
空腹時血糖値を測定

それでは、玄米を食べた時の血糖値について見ていきましょう。まずは空腹時の血糖値から見ていきます。空腹時の血糖値の正常値は110未満ですが、今回は96でした。
玄米の食後30分の血糖値を測定

5分ぐらいで玄米を食べてから30分後に、再び血糖値を測定しました。その結果、163でした。空腹時の血糖値からは67上昇し、急激な上昇となりました。

上記グラフの緑の線は今回の玄米の血糖値、赤い線は白米の血糖値、そして黒い線は糖質カットされた公明の血糖値です。
食後30分の時点では、白米の血糖値は101で、
急上昇して玄米が67となりました。
この時点では、玄米の方がまだ血糖値を抑制していることがわかります。
玄米はその後、食後1〜2時間にかけて160台をキープし、
徐々に下がっていけば、「さすが玄米だな!」となりますが果たして…
逆に、血糖値が急上昇しているようだったら、避けるべきです。
玄米の食後1時間の血糖値を測定

食後1時間後の血糖値を見てみると、結果は急上昇して221でした。

食後1時間の時点での血糖値を測定した結果、
玄米が一番血糖値の上昇幅が大きかったことが分かりました。
白米は85から187になり、102上昇しましたが、
玄米は96から221まで、125上昇しました。
これは、精米した方が血糖値が急上昇するという考えを覆す結果であり、驚きです。
玄米の食後1時間30分の血糖値を測定

最後に、食後1時間30分後の血糖値を測定しました。
その結果、急降下して170になりました。

グラフを見ると、玄米の波形が見事に三角形になっており、
これはグルコーススパイクの典型的なパターンです。
「血糖値スパイク」とも言います。
「血糖値スパイク」とは、急激に上昇して急降下する現象のことを指します。
このような急激な変化が繰り返されると、血管にダメージを与えることがあります。
血管がダメージを受けると、
将来的に動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの疾患のリスクが高まることがあります。
そのため、血糖値のスパイクは健康にとって危険なものとなります。
玄米の食後2時間の血糖値を測定

さらに、食後2時間後の血糖値を見てみると、116と急降下しています。
1時間前の221から100ミリグラム以上も下がっているため、
これは非常に危険な状態であると言えます。
実際に、血糖値が1時間で50以上下がると、
健康に悪影響を与える可能性があるとされています。

玄米の食後2時間30分の血糖値を測定
さらに、食後2時間30分後の血糖値を見てみると、103という値が出ました。


今回の比較では、三種類のお米の食後血糖値を見てみましたが、
玄米が最も危険なように思えます。
三角形のグラフを見ると、
富士山のように山形になっており、
その高さが玄米の部分であることが分かります。
しかし、どの種類のお米でも、
単体で食べると血糖値の急激な上昇が起こるため、
注意が必要です。
お肉や高菜、納豆、豆腐、梅干しなどの食材と一緒に食べることで、
血糖値の上昇を抑えることができます。
また、できるだけお米は最後に食べるようにすると、血糖値の上昇を更に抑えることができます。
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