1982年に愛媛県松山市で同僚のホステスを殺害し、約15年もの間、逃亡を続けた福田和子の事件は、日本の犯罪史に大きな衝撃を与えました。
美容整形と20以上もの偽名を駆使して警察の追跡をかわし続けた彼女は、「7つの顔を持つ女」として世間の注目を集めました。
最も驚くべきは、彼女の特徴的な口癖「あぶないあぶない」が録音された音声が、全国に公開されたことをきっかけに逮捕に至った経緯です。
この記事では、福田和子が時効成立までわずか21日という瞬間に逮捕されるまでの、巧妙な逃亡生活と、彼女が残した言葉の謎に迫ります。
- 福田和子が「7つの顔を持つ女」と呼ばれた理由と、20以上の偽名を使用した巧妙な逃亡生活の実態
- 愛人との電話で録音された口癖「あぶないあぶない」が、逮捕のきっかけとなった経緯
- 金沢から京都へ移動して電話をかけるなど、警察の捜査をかく乱するために用いた綿密な作戦
- 和菓子屋の主人との内縁関係や長男との暮らしなど、逃亡中の二重生活の真相
福田和子の素顔 – 7つの顔を持つ逃亡犯の実像
福田和子は、1982年に愛媛県松山市で同僚のホステスを絞殺し、その後約15年間にわたって逃亡を続けた殺人犯です。
彼女は、逃亡中に20以上の偽名を使用し、美容整形手術によって顔を変えることで、「7つの顔を持つ女」と呼ばれるようになりました。
殺人事件から15年の逃亡へ
1982年8月19日、福田和子は松山市内で同僚のホステスを絞殺し、「松山ホステス殺害事件」として知られる事件を引き起こしました。
犯行後、彼女はすぐに逃げ出し、整形手術を受けるなどして外見を変え、偽名を使って生活を始めました。
20以上の偽名と7つの顔の真相
福田和子は、逃亡生活の中で20以上の偽名を使用し、ホステスや飲食店の経営者などとして働きながら潜伏しました。
また、整形手術を繰り返すことで、警察の捜査をかわすことに成功しました。
- 偽名の数: 20以上
- 職業: ホステス、飲食店経営者など
- 整形手術: 警察の捜査をかわすため、顔を変えた
福田和子は、逃亡中に様々な場所で潜伏し、警察の捜査から逃れ続けました。
彼女の巧妙な偽名使用と整形手術により、長期間の逃亡が可能となったのです。
衝撃の「あぶないあぶない」電話の全容
福田和子の逮捕に大きな役割を果たしたのが、彼女の特徴的な口癖「あぶないあぶない」が録音されたテープです。
この電話の内容と、そこから明らかになった驚きの事実について詳しく見ていきましょう。
愛人との生々しい会話内容
録音された電話は、福田和子が愛媛県にいる愛人とのものでした。
会話の内容は以下のようなものです。
- 福田和子: 「はつ美(福田和子の偽名)です。もう忘れたでしょうが、私のことは」
- 愛人: 「そうや。福田和子なんて知らんけどそんな女」
- 福田和子: 「高井はつ美だけ?もう切るよ本当」
- 愛人: 「なんで」
- 福田和子: 「私が捕まるのが面白いんやろ。そんなドジはしない。切るよ、あぶないあぶない」
- 愛人: 「何があぶない?」
- 福田和子: 「逆探知されたら困る」
この会話からは、福田和子が愛人に対して警戒心を抱いていたことがうかがえます。
また、「あぶないあぶない」という彼女の口癖も録音されています。
録音された声が明かす驚きの事実
福田和子は、この電話をかけた当時、石川県金沢市に潜伏していました。
しかし、驚くべきことに、彼女は捜査をかく乱するため、わざわざ京都まで行って電話をかけていたのです。
- 電話をかけた場所: 京都
- 目的: 警察の捜査をかく乱するため
- 潜伏場所: 石川県金沢市
警察は、電話のコインの落ちる音の間隔から、福田和子が関西にいると推測し、関西地方を中心に捜査を行いました。
その結果、金沢市までは捜査が及ばなかったのです。
逃亡犯の巧妙な作戦
福田和子は警察の捜査をかく乱するために、様々な作戦を用いました。
ここでは、彼女が金沢から京都へ移動して電話をかけた理由と、コインの音で捜査の目を欺いた経緯について詳しく見ていきます。
金沢から京都へ – 警察を欺く綿密な計画
福田和子が金沢から京都まで移動して電話をかけた理由は、警察の捜査をかく乱するためでした。
彼女は、電話をかける際に以下のような計算をしていました。
- 目的: 警察に自分の居場所を特定されないようにする
- 方法: 潜伏場所とは異なる地域から電話をかける
- 選択した地域: 関西(京都)
福田和子は、この作戦により、警察の捜査を関西地方に誘導することに成功しました。
彼女の綿密な計画は、逃亡を続けるために不可欠なものだったのです。
コイン音で振り切った捜査の目
警察は、福田和子が愛人に電話をかけた際のコインの落ちる音の間隔に着目しました。
公衆電話で10円玉を使って通話する場合、通話可能時間は距離によって異なります。
警察は、この情報を手がかりに福田和子の居場所を特定しようとしたのです。
- 警察の着目点: 通話時のコインの落ちる音の間隔
- 判断基準: 10円玉での通話可能時間は距離によって異なる
- 警察の推測: 福田和子は関西にいる
しかし、福田和子はこの推測を逆手に取り、わざわざ京都まで移動して電話をかけることで、警察の捜査を欺いたのです。
彼女の狡猾な作戦により、警察は金沢市までの捜査に至らなかったのでした。
二重生活の真実
福田和子は、逃亡生活の中で様々な人物と関係を築いていました。
ここでは、彼女が金沢市のスナックで働いていた際に築いた、和菓子屋の主人との内縁関係と、長男との暮らしについて詳しく見ていきます。
和菓子屋の主人との意外な関係
福田和子は、金沢市のスナックで働いていた際、和菓子屋の主人と内縁関係になりました。
この関係について、以下のような事実が明らかになっています。
- 出会い: 福田和子が金沢市のスナックで働いていた際に知り合う
- 関係: 内縁関係となる
- 仕事ぶり: 福田和子は働き者で、店は繁盛した
福田和子は、逃亡生活の中でも、仕事に励み、周囲の人々と関係を築いていました。
和菓子屋の主人との内縁関係は、彼女の素顔の一面を表しているといえるでしょう。
長男との暮らしが語る素顔
福田和子は、金沢市で和菓子屋の主人と暮らす一方で、長男を呼び寄せて一緒に生活していました。
この事実から、彼女の母親としての一面がうかがえます。
- 長男との暮らし: 金沢市で和菓子屋の主人と暮らしながら、長男を呼び寄せて一緒に生活
- 母親としての一面: 逃亡生活の中でも、子供との関係を大切にしていた
福田和子は、殺人犯として逃亡する一方で、母親として子供を思う気持ちを持ち続けていたのかもしれません。
長男との暮らしは、彼女の複雑な内面を表す一つの事実といえるでしょう。
逮捕までの驚くべき経緯
福田和子は、1997年7月29日、時効成立のわずか21日前に福井市内で逮捕されました。
ここでは、その逮捕に至るまでの驚くべき経緯について詳しく見ていきます。
時効直前の通報劇
福田和子の逮捕は、彼女の特徴的な口癖「あぶないあぶない」が録音されたテープが公開されたことがきっかけでした。
このテープを聞いた福井市のおでん屋の女将と客が、福田和子を警察に通報しました。
- 通報者: 福井市のおでん屋の女将と客
- 通報のきっかけ: 福田和子の「あぶないあぶない」の音声を聞いたこと
- 逮捕時期: 時効成立のわずか21日前
福田和子は、自らの口癖が録音されていたことが仇となり、15年近くにわたる逃亡生活の末、ついに警察に逮捕されたのです。
変えられなかった口癖が運命を分けた理由
福田和子は、逃亡生活の中で外見を変え、偽名を使うことで警察の捜査をかわしてきました。
しかし、彼女の特徴的な口癖「あぶないあぶない」は、変えることができなかったのです。
- 変えられたもの: 外見、名前
- 変えられなかったもの: 口癖「あぶないあぶない」
- 口癖が与えた影響: 逮捕のきっかけとなった
福田和子の口癖は、彼女の運命を分ける大きな要因となりました。
逃亡生活で身につけた「あぶないあぶない」という言葉が、皮肉にも彼女の逮捕につながったのです。
福田和子が残した言葉の謎
福田和子は、逮捕された際、警察に衣服で顔を隠しながら号泣しました。
彼女は、時効まであと少しのところで捕まったことに、強い悔しさを感じていたのでしょう。
福田和子のプロフィール | |
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名前 | 福田 和子(ふくだ かずこ) |
生年月日 | 1948年1月2日 |
出生地 | 愛媛県松山市 |
職業 | 元ホステス、殺人犯、逃亡者 |
主な事件 | 1982年の松山ホステス殺害事件 |
逮捕日 | 1997年7月29日(時効寸前の逮捕) |
逃亡期間 | 約15年(5459日間) |
特徴 | 美容整形手術で顔を変え、20以上の偽名を使用して逃亡生活を送る。 |
死亡日 | 2005年3月10日(脳梗塞により死去) |
福田和子の人生は、殺人事件と長期逃亡という異例の経験に彩られたものでした。
彼女が残した「あぶないあぶない」という言葉は、その波乱万丈の人生を象徴しているようです。
福田和子の逃亡生活と、彼女が残した言葉の謎は、今なお多くの人々の興味を引き付けています。
彼女の物語は、法の間隙をぬって生きた一人の女性の、実話とも伝説ともつかない物語といえるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
まとめ:15年の逃亡生活で変えられなかった口癖について
- 1982年に愛媛県松山市で同僚のホステスを絞殺した事件が発端
- 20以上の偽名を使い分け「7つの顔を持つ女」と呼ばれる
- 美容整形手術を重ねて警察の追跡から逃れ続ける
- 金沢市のスナックで働きながら和菓子屋の主人と内縁関係に
- 逃亡中も長男を呼び寄せて一緒に暮らす二重生活を送る
- 特徴的な口癖「あぶないあぶない」が録音された電話が存在
- 警察の捜査をかく乱するため金沢から京都まで移動して電話
- コインの落ちる音の間隔で関西にいると警察を誤認させる
- 録音された音声が全国に公開され市民からの通報が相次ぐ
- 福井市のおでん屋の女将と客からの通報で所在が判明
- 時効成立までわずか21日という瞬間に逮捕される
- 2005年3月10日に脳梗塞により死去するまで5459日間の逃亡生活
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