樋口建史氏は、警察官僚としてのキャリアから始まり、外交官、そして民間企業での活躍まで、多岐にわたる分野で輝かしい実績を残してきた人物です。
愛媛県松山市出身の樋口氏は、東京大学法学部を卒業後、警察庁に入庁し、着実にキャリアを積み重ねていきました。
警視総監という警察組織のトップを務めた後、ミャンマー大使として外交の最前線でも活躍。
さらに、新日鐵住金や大成建設など、民間企業でも重要な役職を歴任しています。
この記事では、樋口建史氏の輝かしい経歴と、現在も続く多方面での活躍、そして彼の見識に基づくミャンマー情勢の分析までを詳しく紹介していきます。
- 樋口建史氏の警察官僚としての輝かしい経歴と警視総監就任
- ミャンマー大使としての外交経験と国際情勢への洞察
- 民間企業での要職歴任と多岐にわたる活躍
- 現在の役職と受勲、そして長男の政界進出
樋口建史の経歴とプロフィール:元警視総監から外交官まで
樋口建史氏は、1953年4月11日に愛媛県松山市で生まれた元警察官僚です。
東京大学法学部を卒業後、1978年に警察庁に入庁し、警察官としてのキャリアをスタートさせました。
愛媛県出身の警察官僚:東大卒業から警察庁入庁まで
樋口氏は、愛媛県松山市で生まれ育ちました。
地元の愛光中学校・高等学校を卒業後、東京大学法学部に進学します。
1978年、25歳の時に警察庁に入庁し、警察官僚としての第一歩を踏み出しました。
- 生年月日: 1953年4月11日
- 出身地: 愛媛県松山市
- 学歴: 愛光中学校・高等学校卒業、東京大学法学部卒業
- 警察庁入庁年: 1978年(25歳)
愛媛県出身の樋口氏が、東京大学法学部を卒業後、警察庁に入庁したことが分かります。
エリート官僚としてのスタートを切った樋口氏は、その後、警察庁内で着実にキャリアを積んでいくことになります。
警察庁での要職歴任:北海道警察本部長から警視総監へ
樋口氏は、警察庁での勤務の中で、数々の要職を歴任しました。
特に、2005年から2007年までの北海道警察本部長時代や、2011年から2013年までの警視総監時代は、樋口氏のキャリアにおいて重要な役割を果たしたと言えるでしょう。
- 1991年: 警視庁公安部外事第一課長
- 2005年〜2007年: 北海道警察本部長
- 2010年〜2011年: 警察庁生活安全局長
- 2011年〜2013年: 警視総監(第89代)
警視総監は、日本の警察組織のトップに立つ重要なポストです。
樋口氏は、2011年8月から2013年1月まで、第89代警視総監を務めました。
この経験は、後の外交官としてのキャリアにも大きな影響を与えたと考えられます。
ミャンマー大使としての活躍:2015年総選挙を見届けた経験
警視総監を退官した樋口氏は、2014年4月からミャンマー国駐箚特命全権大使に就任しました。
2018年3月までの4年間、ミャンマーにおける日本の外交官としての役割を果たしたのです。
- 在任期間: 2014年4月〜2018年3月(4年間)
- 主な出来事: 2015年のミャンマー総選挙を見届ける
- 任務: ミャンマーにおける日本の外交官としての役割を果たす
特に、2015年に行われたミャンマー総選挙は、樋口氏にとって重要な出来事でした。
この選挙により、アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)が勝利を収め、ミャンマーの民主化プロセスが大きく前進したのです。
樋口氏は、この歴史的な瞬間を間近で見届けたと言えるでしょう。
民間企業での豊富な経験:新日鐵住金顧問から大成建設監査役まで
ミャンマー大使を退任した後、樋口氏は民間企業でも活躍しました。
新日鐵住金株式会社の顧問や、大成建設の監査役などを務めたのです。
- 2013年7月: 新日鐵住金株式会社顧問に就任
- 2013年7月: 西村あさひ法律事務所アドバイザーに就任
- 2020年6月: 大成建設監査役に就任
警察官僚としてのキャリアだけでなく、民間企業でも要職を務めた樋口氏。
その幅広い経験と知見は、今日に至るまで高く評価されています。
三浦工業の社外取締役としても活躍し、2024年3月時点で同社の株式を5,000株保有するなど、企業経営にも深く関わっているのです。
樋口建史氏の多岐にわたる現職と受勲
樋口建史氏は現在も、多岐にわたる分野で活躍を続けています。
内閣府カジノ管理委員会委員や、Uber Japanのシニアアドバイザーなどを務めるほか、2023年12月には瑞宝重光章を受章するなど、その功績が称えられています。
内閣府カジノ管理委員会委員としての役割
2019年11月、樋口氏は内閣府カジノ管理委員会委員に就任しました。
カジノ管理委員会は、日本におけるカジノ運営を管理・監督する組織です。
樋口氏は、警察官僚としての経験を生かし、カジノ運営の適正化に尽力しています。
- 就任年月: 2019年11月
- 役割: カジノ運営の管理・監督
- 目的: カジノ運営の適正化を図る
日本におけるカジノ運営は、今後大きな注目を集めることが予想されます。
樋口氏は、その健全な発展のために重要な役割を担っていると言えるでしょう。
Uber JapanシニアアドバイザーとLuup監査役就任の意義
2022年6月、樋口氏はUber Japanのシニアアドバイザーに就任しました。
さらに、2024年10月には電動キックボード事業を手がける株式会社Luupの監査役にも就任しています。
- Uber Japan就任年月: 2022年6月
- Luup監査役就任年月: 2024年10月
- 役割: 新たなモビリティサービスの発展に貢献
Uberに代表されるライドシェアサービスや、電動キックボードなどの新たなモビリティサービスは、今後ますます重要性を増していくと考えられます。
樋口氏は、警察官僚としての経験を生かし、これらのサービスの健全な発展に貢献しようとしているのです。
瑞宝重光章受章:警察官僚としての功績を評価
2023年12月、樋口氏は瑞宝重光章を受章しました。
瑞宝章は、公務などで功績のあった人に授与される勲章です。
樋口氏の場合、警察官僚としての長年の功績が評価されたと言えるでしょう。
- 受章年月: 2023年12月
- 理由: 警察官僚としての長年の功績を評価
- 勲章の意義: 公務などで功績のあった人に授与される
瑞宝重光章の受章は、樋口氏のこれまでのキャリアを象徴する出来事だと言えます。
警察官僚としての功績だけでなく、外交官や企業経営者としての活躍も含めて、その幅広い貢献が称えられたのです。
ミャンマー情勢に関する樋口氏の見解
樋口建史氏は、ミャンマー大使を務めた経験から、同国の情勢について深い知見を持っています。
2021年2月に発生したミャンマー国軍によるクーデターについても、その背景や今後の見通しなどを分析しています。
クーデターの背景:国軍の政治的立場への危機感
樋口氏は、国軍がクーデターに踏み切った背景として、国軍の政治的立場が揺らぐことへの危機感を指摘しています。
2008年憲法により、国軍は国家運営に関する一定の権限を保持していましたが、実際には思うように影響力を行使できなかったというのです。
- 2008年憲法の規定: 国軍が国家運営の権限を維持できる仕組み
- 国軍の影響力行使の困難: 民政移管後も国家運営に係る権限を維持できると考えていたが、実際には思い通りにいかなかった
- 国軍の立場を脅かす出来事: アウン・サン・スー・チー氏を元首にする国家顧問設置法の制定、国防治安評議会の開催見送り、NLDによる憲法改正案検討委員会設置の動きなど
樋口氏は、このような国軍の政治的立場を脅かす一連の出来事が、クーデターにつながったと分析しています。
国軍は、自らの影響力を維持するために、非常手段に訴えざるを得なかったというわけです。
ASEANの役割と日本の対応:支援構造の見直しの必要性
クーデター後、国際社会はミャンマー国軍への非難を強めていますが、ASEANの対応は分かれています。
樋口氏は、ASEANが鍵を握ると指摘しつつ、日本は自らの立場を明確にしながらASEANを後押ししていくべきだと主張します。
- ASEANの重要性: 今後の情勢展開において鍵を握る存在
- ASEANの対応: 各国の思惑が交錯し、特使受け入れの遅れや武器禁輸に及び腰になるなどの動き
- 日本のスタンス: 自らの原則的立場を明確にしつつ、ASEANの後押しを続けるべき
また、樋口氏は、日本がこれまでミャンマーに対して行ってきたODAや防衛交流などの支援のあり方についても見直しが必要だと指摘します。
民主化の停滞という新たな状況を踏まえ、支援の前提条件を再考すべき時期に来ているというのです。
ミャンマーの民主化プロセス:逆行しない民主主義への期待
樋口氏は、ミャンマーの民主化プロセスについて、短期的には困難な状況が続くとの見方を示しています。
しかし、長期的には国軍による支配は続かないだろうと予測しています。
- 短期的な見通し: 国軍による支配が継続し、本当の意味での民主化は困難
- 長期的な予測: 国軍の支配は永続せず、民主主義は逆行しない
- 国民の意識: この10年で経験した「寛容な社会」を知った国民は、寛容でない政権を受け入れない
樋口氏は、ミャンマー国民がこの10年間で経験した「寛容な社会」を決して忘れることはないだろうと指摘します。
一度、民主主義の価値を知った国民が、再び抑圧的な体制を受け入れることはないというのです。
この国民の意識こそが、ミャンマーの民主化を後押しする原動力になると樋口氏は考えているのです。
樋口家の政界進出:長男・高顕氏の千代田区長当選
樋口建史氏の長男・高顕氏は、2021年の千代田区長選挙に無所属で出馬し、見事当選を果たしました。
警察官僚として活躍した父に続き、息子も政界の第一線で活躍の場を広げているのです。
樋口高顕氏プロフィール | |
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生年月日 | 非公開 |
出身地 | 非公開 |
学歴 | 東京大学法学部卒業 |
経歴 | 警視庁勤務を経て、2021年に千代田区長に当選 |
警察官僚の家系である樋口家ですが、建史氏の活躍に続き、長男の高顕氏も政界で存在感を示し始めています。
今後、樋口家がどのように日本の政治に影響を与えていくのか注目されるところです。
以上が、樋口建史氏の経歴とプロフィール、そしてミャンマー情勢に関する見解をまとめた記事となります。
警察官僚、外交官、企業経営者と、多岐にわたる分野で活躍してきた樋口氏。
その豊富な経験と知見は、今後も日本社会に大きな影響を与え続けるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
まとめ:樋口建史氏の多彩な経歴と現在の活動について
- 愛媛県松山市出身で東京大学法学部を卒業
- 1978年に警察庁に入庁し、警察官僚としてのキャリアを開始
- 2005年から2007年まで北海道警察本部長を務める
- 2011年から2013年まで第89代警視総監に就任
- 2014年から2018年までミャンマー大使として外交分野で活躍
- 新日鐵住金や大成建設など民間企業でも要職を歴任
- 2019年11月に内閣府カジノ管理委員会委員に就任
- 2022年6月からUber Japanのシニアアドバイザーを務める
- 2023年12月に瑞宝重光章を受章し、功績を評価される
- 2024年10月にLuup監査役に就任し、新たな分野でも活躍
- ミャンマー情勢に関する深い洞察力と分析力を持つ
- 長男の高顕氏が2021年に千代田区長に当選し、政界でも注目される
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